オンライン授業の学習評価方法

オンライン教育ガイド
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オンライン授業で学習評価をするための方法

  • このページでは、急にオンラインで授業しなければならなくなった場合の評価方法について、Brown, S. & Sambell, K. (2020)をもとに、大阪大学において活用できるツールを踏まえながらまとめています。教室授業で行う予定だった評価をオンラインで完全に再現することは難しいですが、オンラインでの評価方法を検討するためのヒントとしてご活用下さい。
  • 詳しい各ツールの使い方は大阪大学サイバーメディアセンターのウェブサイトをご確認ください。
  • なお、正確な情報を迅速に提供すべく努力していますが、アップデートできていないところやこちらで把握できていないところがあるかもしれません。大学の方針、およびサービスの提供内容も日々変わっておりますので、最新の情報については随時更新していく予定ですが、他の情報も併せてご参照ください。

表の[ ]にあるツールの略語は以下を示しています。

  • CLE:講義資料の配布、レポートの回収等ができる授業支援システム
  • BCU:リアルタイムでオンライン授業ができるシステム(Blackboard Collaborate Ultraの略)
  • Teams:Microsoftが提供するビデオ会議システム(Microsoft Teamsの略)
  • Zoom:世界中で使われているビデオ会議システム
  • ロイロ:遠隔に関わらず協働学習ができるツール(ロイロノート・スクールの略)

評価方法の代替案

教室の授業で使用していた評価方法 オンライン授業で代替可能な評価方法 留意事項
教室での筆記試験 持込可のオンライン試験
[メール、CLE等]
※CLEを使ったオンライン試験の方法についてはこちらをご覧ください。
  • 学生は教材を参照することができるので、試験は覚えたことを思い出すものから知識や情報を応用するものへ変更する必要がある。
  • 課題の方針変更にあたり、学生への指導も重要である。
  • CLEなどの学習支援システムを使わなければ、大人数授業で行うことは難しい。
  • カンニング等の不正行為を防止するするために、無作為で解答を抽出してチェックする場合があると学生に伝えておく。
教室での
プレゼンテーション
音声付きスライドを電子ファイルで提出
[メール、CLE、Google Drive等]
  • プレゼンを録画する場合、学生は1回限りのプレゼンに比べると、より多様な方法で準備できる
ポートフォリオ 紙のポートフォリオからeポートフォリオへ変更
[CLE、ロイロ、Googleドキュメント等]
  • ネット環境が十分ではなかったりデジタル機器の扱いに自信が無かったりする学生にとってはかなり困難なものであり、追加の指導が必要である。
口述試験 遠隔通信手段を利用した口述試験
[BCU、Zoom、Skype、LINE等」
  • 学生に十分な経験がない場合、自信を持って試験を受けることができるように支援が必要である。
グループディスカッション オンラインプラットフォームで開催するグループディスカッション
[BCU、Zoom、Teams、WebEx等]
  • 学生やスタッフがこのような学習に慣れていない場合、支援が必要である。
実験・実習 実験・実習のすべてをオンラインで行うことは難しいため、いくつかをシミュレーションで再現
実験結果を得るというよりもデータを解釈する方に焦点
  • 学生によって異なるデータセットを提供することで、「オーバーシェアリング」によるリスクや、解釈の酷似を避けることができる。
ポスター デジタルインフォグラフィックやマインドマップ、その他の可視化ツールを使って、CLE等で提出
学生同士共有することでピアレビューが可能
[CLE、ロイロ、Google Drive等]
  • 提出者の本人確認のためには、短時間でもオンライン口頭試験を行えば確認・補足ができる。
客観的臨床能力試験
(OSCE)等
様々な実務を行っている自身の様子をビデオで収録して、eポートフォリオとして提出
[CLE、YouTube、Google Drive等]
  • 看護実務や薬品の計測など、特定の能力が完璧に要求される専門領域では、実施できない可能性がある。
相互評価と相互支援 お互いのレポートにコメントをつけてメールで送信、CLE等でのピアラーニング
[メール、CLE掲示板等]
 
実演(演劇やダンスなど) 個人やグループ単位で、準備を行い、活動の様子をビデオに収録し、リフレクションシートや報告書とともに提出
[CLE、YouTube、Google Drive等]
  • グループで集まることができない場合がある。
  • 離れた場所でのグループでの実演は、まとめるのが大変かもしれない。
  • 動画では、本物の実演を複製することはできないが、危機的状況では有効だろう。
対面によるフィードバック

チューターによる音声や動画配信による個別およびグループへのフィードバック
[BCU、CLE、Skype、LINE、YouTube等]

 

謝辞

本ページを作成するにあたり、Sally Brown氏にBrown, S. & Sambell, K. (2020) の翻訳及び大阪大学版へのアレンジの許可をいただきました。お礼申し上げます。

Brown, S. & Sambell, K. (2020) "Contingency planning: exploring rapid alternatives to face-to-face assessment"

参考資料