授業における生成AIの活用法

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生成AIによる授業づくり支援

生成AIは教員の授業づくり支援に活用することもできます。本ページでは、教育活動における生成AIの活用について、具体例も交えながら紹介しています。

授業における生成AIの活用

教員による生成AIの活用例として以下が挙げられます。以下にプロンプトや回答の具体例を掲載しています。

授業内のグループワークの設計(クリックすると具体例が表示されます)
授業内で実施するグループワークなども、プロンプトでテーマや方法、人数、時間などを指定しておけば、ある程度参考になるアイディアを提示してくれます。

プロンプト
大学1年生向けの授業で,情動知性(emotional intelligence)についての15分のワークを実施したいと思います。ワークのテーマ,方法,ステップ,所要時間を考えてください。

回答
テーマ:
情動知性の基本と自分の感情の認識

目的:
学生たちが情動知性についての基本的な理解を持ち、自分自身の感情を認識し、それを効果的にコントロールする方法について考えるきっかけを提供する。

ワーク方法:
グループディスカッションと個人の感情マップ作成

ステップと所要時間:
紹介 (2分)

教員が情動知性とは何かについて簡単に説明(感情の認識、理解、管理、および他人とのコミュニケーションにおける感情の役割)。
グループディスカッション (4分)

学生を4-5人の小グループに分ける。
各グループに「感情」の例を挙げてもらい、それが日常生活や人間関係にどのように影響するかについて議論してもらう。
感情マップ作成 (5分)

学生一人一人に、自分が直近1週間で経験した感情を紙に書き出してもらう。
それぞれの感情をポジティブかネガティブかで分類し、その感情が生じた原因や、それによって自分の行動がどのように影響されたかを簡単に書き加える。
共有とフィードバック (3分)

2-3人の学生に自分の感情マップをクラス全体に共有してもらい、それに対して他の学生や教員がポジティブなフィードバックや感想を述べる。
締めくくり (1分)

情動知性が自分自身と他人との関係にどのように影響を与えるかを簡単にまとめる。
今日学んだことを日常生活で活かすことの重要性を強調し、情動知性を高めるために今後も自分の感情に注意を払うよう呼びかける。

注意点:
学生が自分の感情を共有する際には、ポジティブな環境を保ち、批判的なコメントは避けるようにする。
時間管理に注意し、各ステップが予定通り進むようにする。(ChatGPT4にて出力)


レポートの評価(クリックするとプロンプトの具体例が表示されます)
レポートを採点する際のルーブリックをプロンプトに入力しておけば、生成AIをレポート評価に活用することができます。ただし、正確とは限らないため、教員による最終確認は必要です。

あなたは大学教員です。大学1年生を対象に「レポートの書き方」の授業を担当しています。今回、以下の【課題】を課しました。以下の【ルーブリック】を使って【レポート】を採点してください。なお、「良い」「改善すると良い」を選択した場合はフィードバックのコメントも書いてください。「独創性」の評価について、「良い」「改善すると良い」を選択した場合は、改善例を簡潔に示してください。「誤字脱字」については、どこに誤字脱字があったのかを示してください。「客観的なデータ」について、「良い」「改善すると良い」を選択した場合は、どの部分でデータを示すとよいかを書いてください。

【課題】テーマに関するメリット、デメリット、解決策を800字で述べる

【ルーブリック】
観点 とても良い 良い 改善すると良い
レポートの型 序論→本論→結論になっている  序論→本論→結論がわかりづらい部分がある  序論→本論→結論になっていない
1字下げ 段落の冒頭はすべて1文字スペースを空けている  段落の冒頭で1文字スペースを空けていないところがある
文体 常体文(だ・である)を使っている 常体文(だ・である)を使っていない/敬体文(です・ます)と混在している
一文 すべて一文が短くまとめられている(約80文字) 一文が長い(約80文字以上の)文章がある
メリット メリットが簡潔に列挙されている 簡潔でないが、メリットが列挙されている メリットが書かれていない
デメリット デメリットは多くて2つに絞り、詳細に書かれている 詳細ではないが、デメリットが書かれている デメリットが書かれていない
解決策 デメリットに対する解決策を書いている デメリットと関係のない解決策を書いている部分がある デメリットと関係のない解決策を書いている
文字数 720〜880字内で書かれている 719文字以下もしくは881文字以上で書かれている
誤字脱字 誤字脱字、体言止めがない 誤字脱字、体言止めが計1〜2箇所ある 誤字脱字、体言止めが計3箇所以上ある
解決策の実現可能性 解決策が具体的で実行可能である 解決策がやや抽象的である/解決策の実行がやや難しい 解決策が抽象的である/解決策の実行が難しい
客観的なデータ 解決策を示せるような客観的なデータがある 解決策を示せるような客観的なデータが少ない 解決策を示せるような客観的なデータがない
引用文献・参考文献(文字数には含まれない) 引用文献や参考文献があり、書誌情報もしくはURLが書かれている 引用文献や参考文献がない/書誌情報もしくはURLが書かれていない
独創性 自分なりの考えやアイディア等が示されている やや自分なりの考えやアイディア等が示されている 自分なりの考えがあまり書かれていない

【レポート】学生のレポートをコピペ



試験問題の作成(クリックすると具体例が表示されます)
説明問題から多肢選択問題まで、様々な試験問題の原案を生成AIで作成することもできます。ただし、生成AIは間違いも出力するので、正しいかどうか確認する必要があります。

プロンプト
私は日本の国立大学で健康心理学という科目を教えています。2年生向けにこの科目の期末テストに使用する選択式問題を作成したいと考えています。この授業では、ストレス管理、健康行動の促進、心と体の相互作用などについて学びます。学生が日常生活の具体的な状況に適用できるかを評価する問題にしてください。
以下の点に注意して、まずはストレスとその管理方法」の問題を3問作成してください。

回答
健康心理学期末テスト 選択式問題(「ストレスとその管理方法」に関する部分)

ある学生が試験週間中、継続的なストレスを感じています。彼が直面するストレスを軽減するための有効なアプローチは次のうちどれでしょうか?
A. 試験のたびに全ての情報を一晩で詰め込む
B. 定期的に短時間の休憩を取りながら学習する
C. 健康的な食事や運動を完全に無視して勉強に集中する
D. 友人や家族に自分の感じているプレッシャーを話さない

ストレスと体の健康には密接な関係があります。次のうち、ストレスが長期にわたって継続すると最も起こりやすい体の反応はどれでしょうか?
A. 視力の急激な向上
B. 免疫機能の低下
C. 骨の密度増加
D. 毛髪の急速な成長

会社員の田中さんは、仕事のプレッシャーから毎晩のように不眠に悩んでいます。彼が取り入れるべきストレス管理方法として、最も適切なものはどれでしょうか?
A. 仕事が終わった直後にカフェインを多く含む飲み物を摂取する
B. 深呼吸や瞑想を日常的に行い、リラクゼーションの時間を確保する
C. 仕事のストレスを忘れるためにアルコールを頻繁に摂取する
D. ストレスを感じたらすぐに仕事をやめてしまう
(ChatGPT4にて出力)


教材作成(クリックすると具体例が表示されます)
プロンプトに大体の授業構想を入力することで、授業教材を作成することもできます。例えば、授業で用いたスライド教材を、プロンプトで教科書風の文体に書き換えるよう指定することで、教科書を作る際の原案を作成することができます。

プロンプト
以下の文章を教科書風の文体で書き直してください。その際に、適宜必要な情報を付け加えてください。
学習環境(カリキュラム、教授法、評価方法、学生支援等)を ポジティブに受け止めている学生は、深い学習アプローチを取る(Biggs, 2011)
個人的要因(授業のトピックへの関心、自尊感情、学習意欲等)と状況・教員要因(教員の準備、知識、ユーモア、学生の実生活との関連づけ等)の双方が不正行為に影響する(e.g., Schraw et al., 2007)
生成AIへの対策とともに、 授業設計も見直すことが有効Copilotとして 生成AIが活用できるかもしれない

回答
学習における成果や動機づけは、多様な要因に影響されます。Biggs (2011)によれば、学習環境、特にカリキュラム、教授法、評価方法、学生支援といった要素を肯定的に捉える学生は、深い学習アプローチを採用する傾向があります。しかし、学生の学習結果や意欲は学習環境だけでなく、個人的要因や教員由来の要因にも影響を受けます。個人的要因としては、授業のトピックへの関心、自尊感情、学習意欲などが挙げられます。一方、状況・教員要因としては、教員の授業準備、知識、ユーモア、そして学生の実生活との関連付けの程度などが考慮される必要があります。これらの要因が総合的に学生の不正行為に影響する可能性があると指摘されています(例:Schraw et al., 2007)。

近年、生成AIの技術が進化しています。これに伴い、授業設計の見直しや教育環境の改善に生成AIを取り入れる議論も増えてきました。特に、生成AIツールの"Copilot"としての活用が期待されています。しかし、その際にはAIの活用に関する適切な対策やガイドラインの確立が必要となるでしょう。
(ChatGPT4にて出力)



授業内での学生への問いの作成(クリックすると具体例が表示されます)
授業内での学生へのちょっとした質問を考える際に、生成AIはとても有効です。学生とのコミュニケーションを図るためにも、生成AIを利用して質問を考えておきましょう。


授業アンケートの整理(クリックすると具体例が表示されます)
授業アンケートの情報を生成AIに読み込ませて分析させることができます。なお、ChatGPTの場合は文字数制限があるため、大量の情報を読み込ませるためには、有料版のAdvanced data analysisという機能を用いてファイルデータを読み込ませる必要があります。