※記載している年、所属情報はインタビュー当時のものです。
FFPのTF とFFPを修了したばかりの3名がFFPの魅力と難しかった点を本音で語りあいました!
(所属・学年はインタビュー当時のものです)
司会(言語文化研究科博士後期課程2年・TF)
田尾俊輔さん(言語文化研究科博士後期課程3年・TF)
西村僚之佑さん(言語文化研究科博士後期課程3年)
村上尚子さん(医学系研究科博士後期課程1年)
高津遥さん(人間科学研究科博士前期課程2年)
司会:では、早速受講中のことをお伺いしていこうと思います。よかったと思うことと、正直しんどかったことを一個ずつ。では高津さん、良かったと思うところを。
高津さん:良かったと思うことですよね。
司会:なかったらないでいいんですけどね(笑)。
高津さん:ありすぎてどれ言おうかなっていう感じなんですけど、一番はやっぱり、自分の専門を自分の専門と関係ない人に話す、が一番ためになったなと。アウトリーチとかと近いかもしれないですけど、自分の言葉でしゃべってても相手に伝わらないことがこれまでに結構あったんで、そこがすごい学びだったなと思っています。
司会:なるほど。では逆に正直しんどかったところは。
高津さん:あんまりないんですよね。授業開発論IIで授業実践した時は、もちろん考えるとか準備するのは大変だったんですけど、それはそれで楽しかったので、それが苦しいって思ったことはなかったです。開発論I, II, IIIを通して、基本的には苦しいみたいなことはなかったですね。
司会:素晴らしい(笑)
高津さん:後から見つかるかもしれないです(笑)。
司会:では村上さんに移って、まず良かったところから。
村上さん:良かったことはたくさんあったので、「思ってたことよりずっと良かったこと」として一個だけ特出しますね。FFPIIの授業実践では2回、保健学科の学生たちに授業をしたんですけど、元々自分の学部の学生さんはちょっと冷めてるところもあるなと思ってて。でも、自分が授業実践したあと、本当に男女問わず色んな学生さんが、「先生の熱意まじやばかった!」「先生の授業めっちゃおもろかった」みたいな感じで言うてくれたんですよ。これって自分が実際に授業実践をしなかったら得ることができなかった学生の生の声だし、すごく印象に残りました。あとはもちろん、FFPI,II, III通して全体的に、先生の授業やTFさんのアドバイス、受講生の子らとのディスカッションがすごく今後に活かせそうだなとか、他分野の方からも意見が得られてよかったなっていうことはいっぱいありました。
司会:いい経験でしたね。しんどかったことはありましたか?
村上さん:実はうわさで、IとIIIはハードル低いけど、IIはめちゃくちゃえぐいぐらい大変!って聞いてたんですよ。やらせではななく、それを払拭したいぐらいIIもすごく楽しかったし、受けてよかったと思うし、FFPの醍醐味の部分だったかなとも思います。もちろん、IもIIIも本当に受けてよかった。3日間がっつり集中して色んな知識が得られたり経験が得られたりしてよかったなと思うことばっかりだったので、高津君と同じくしんどいと思うことはなかったです。この話を聞いて、「FFP大変って聞いてたけど、受けてみようかな」って思ってくれる人がいたら嬉しいですね。
高津さん:今の聞いて、自分はしんどかったことを思い出したんですけど…。
一同:(笑)
高津さん:しんどかったというか、悔しかったことなんですけど。授業実践の後に学生に対してアンケートをやったら、やっぱりマイナス評価もあったんですよ。かなり極少数で、何個か、ぐらいのレベルだったんですけど、大学の授業これからやっていくことになったら、向き合わないといけない所やなって。多くの人が「良い!」って評価してくれた分、そうじゃない方がいるのは、悔しかった。
村上さん:参考までに聞きたいけど、それはどういう視点から見たどういうコメントだったの?
高津さん:「興味深い内容だったか」を1から5までポイントで評価してもらったんですけど、ポイントが低い子がいて。興味深いって思わせられなかったのかなみたいな。もちろん、もともと本人が興味もってるか、みたいなとこもありますけど。
村上さん:受講生によるっていうのは絶対ある。私の授業はハードル低かったのかもしれない。
司会:良くも悪くも、自分の弱みと直面せざるを得ないですよね。高津さんは悔しいっていう言葉使ってたけど、そういうの感じる側面はプログラムの中にあると思うし、逆に村上さんみたいに、思っていた以上に高い評価が貰えて嬉しかったということもありえますよね。
村上さん:自分の事を低く見積もりすぎていたのかも。
司会:そう、自分の事を低く見積もりすぎたのを、FFPで修正できたといえるじゃないですか。考え方が良い方に向くきっかけになりましたよね。
司会:では西村さんいきましょうか。
西村さん:まず良かったところ、先生方やTFさん含めて、スタッフの方皆さんが良かったですよね。
一同:(頷く)
司会:ありがとうございます!
西村さん:先生方は、皆さんそれぞれの個性があると思うんですけど、それを活かしてサポートをしてくださって、本当にありがたかったです。受講中、少し気分が乗らないような時でも、先生方と接すると「頑張ろう!」って思えましたね。あとはTFさんもです。「頼れるTF田尾さん」ですね。
一同:頼れるTF田尾さん(笑)!
西村さん:個人のワークをする時に、いつも近くを歩いて教室の様子を見回ってくださっているので「あ、自分も質問していいんだな」という安心感があって、心強かったです。担当してくださるスタッフ皆さまが全員いい人で、頼れる集団といいますか、何よりもそこが一番良かったかなと思いますね。
一同:うん、わかります。
司会:では難しかったところは。
西村さん:IとIIIは集中講義なので3日間なんですけど、なかなか奥が深く、もっとじっくり考えたい内容ばかりなので、限られた時間の中でするのが難しかったですね。
中村さん:なるほど、確かに3日っていうのはなんやかんやしんどいですもんね。
司会:さあ、田尾さんには趣向を変えてお聞きしたいのですが。
田尾さん:なぜ(笑)
司会:というのも、田尾さんは3年TFされてたんでしたっけ。
田尾さん:TA含めたら4年。
一同:おお〜。
司会:なので、学生側と、教える側という両方の視点からFFPのことをよくご存知ですよね。自分が受けて良かったと思う部分と、教える側の立場として「こういうのを知ってもらうのはでかいな」っていうのがあると思いますが、それを踏まえてどうですか。
田尾さん:あーなるほど…。さっき先生方の話ありましたけど、例えば非常勤とかで実際に自分が授業する時、一人一人に対してFFPの先生がしてくれていたのと同じくらいの労力でサポートできるのかっていうと、なかなか難しいと思うんですよ。もちろんそういうのをできるようにならないといけないんでしょうけど、受講生に対する手厚いサポートはかなり推せる。課題に対してこんなに丁寧なフィードバックもらうとか、授業が終わった後でも気にかけてもらえるとか…他の授業と比較しても、授業外でも気にかけてもらえるのって、なかなかないと思います。
一同:うんうん。
田尾さん:自分が受講してた時、一番難しいなって思ったのはIIIなんです。自分が研究今後何やりたいかとか、教育どんなふうにしていきたいかとか、あるいは社会関与をどうしていくのかっていうのを文字化しないといけないわけですけど、漠然とした将来に対する不安があるのに今明確にしろって言われてもしんどいわけですよ。自分との戦いみたいな。
一同:確かに。
田尾さん:先ほどの高津さんの話で、IとIIみたいに教える相手がいるとマイナス評価をもらうかもしれないけど、「そこ直せばいいんだな」っていうのがわかる。でもIIIでは自分と向き合わないといけない。自分で自分を褒めてあげないといけない時もあれば、否定や改善をしないといけない時もある。自分対峙みたいな。これほどしんどいことはないと思いましたね。
司会:人文学を極める者にとって、IIIはしんどいと思います。僕も人文学系なんですけど、「それが社会にとって何の役に立つのか」を考えるのは、めちゃくちゃしんどかったです。
司会:では前半最後の質問でございます。FFP I II IIIの中でどれが一番良かったかに手を挙げて、その理由をお答えください。はい、Iが一番良かった人。
高津さん:(頭を抱える)
司会:高津さんまだシンキングタイム?
高津さん:いやー、どっちやろな…。Iではないです。
一同:Iではない?!(笑)
高津さん:いや、トップを争っているっていう意味です!(笑)
司会:Iを受けるだけでは全容を把握できないっていうことですね。Iは誰もいないっていうことでいいですか。じゃあIIの人は?
(田尾さん、西村さんが手をあげる。)
司会:では村上さん、高津さんはIIIということで。
村上さん、高津さん:はい。
司会:順番に理由をお願いします。
IIを選んだ西村さん:じっくり考えて、かつ実際に授業を行うことができたので。
司会:授業実践ですね。村上さんは?
IIIを選んだ村上さん:実際に活かせそうだなと思ったので。私、自分が就職するとしたら、自分の家の近くにある大学しか考えてないんですよ。だから、そこの公募条件やHPの設定に合わせて抱負とかを書く機会が得られたから、今後の3〜5年後の就職を見据えたら、自分の将来的には一番いい経験が得られたなって思って。IIとIIIで接戦はしたけど、IIIを選びました!
司会:さあ高津さん、迷った結果IIIを選びました。
IIIを選んだ高津さん:先ほどの田尾さんのお話もありましたけど、研究の哲学とか考えるのが楽しかったですね。他の人と比べることで研究のモチベーションが上がったので。
村上さん:えらい!
高津さん:もちろん教育のモチベーションも上がりましたけど、研究の動機を作って、これから研究頑張ろうって思う機会になったので、IIIかなと…もちろんIIも良かったですけど。
司会:なるほど。田尾さんはIIということで。
IIを選んだ田尾さん:個人的には、受講前に期待していた、「教える機会」を満たせたという意味ではIIかなと思います。
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