大学院等高度副プログラム「未来の大学教員養成プログラム」

Future Faculty Program (FFP)

修了生の声
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修了生の声

※記載している年、所属情報はインタビュー当時のものです。

自分の人生ビジョンを見つめる貴重な時間になる

自分の人生ビジョンを見つめる貴重な時間になる

2019年 医学系研究科博士後期課程
安里 舞子さん

主専攻の研究内容について教えてください。

親子の食行動に関する研究をおこなっています。

取り組まれている研究の面白さはどんなところですか。

私たち人間にとって生きていく上で欠かせない「食べること」について、近年の家族形態やライフスタイルの多様性を踏まえ、家族看護の視点から研究しています。実際に調査をおこない、データを解析していく過程は大変ですが、それ以上に新たな知見を得られるところに面白さがありますね。

「未来の大学教員養成プログラム」の受講開始前、自身の教育や研究についてどんな不安があったか教えてください。

博士前期課程に進学し、入学式の時にもらったパンフレットで「未来の大学教員養成プログラム」を知りました。大学院に進学したばかりということもあり、「教育」や「研究」への不安よりも、博士前期課程1年という身で受講していいのかという不安の方が大きかったです。

プログラムの必修科目「大学授業開発論(FFP)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」の中で、一番学びが大きかったのはどの科目でしたか。

FFP ⅠとFFP Ⅱ です。

初回に行われた佐藤先生のオリエンテーションで、聞く人の心をぐっと掴み、惹き込む技法を体感したのを今でも覚えています。

「大学授業開発論(FFP)Ⅰ」ではどのような学びがありましたか。

FFP Ⅰ では、他学科の学生に3分間で自分の専門領域の中の1つの概念(非専門の人々には馴染みのない概念)を紹介する活動があり、私は「看護職」について発表しました。決められた時間内で、非専門領域の相手に興味を持ってもらえるような構成、技法を考え、相手とコミュニケーションを取りながらプレゼンすることの難しさ、意義を学べましたね。

それと、授業デザインについて学べた点も意義深かったです。私たちが必ず目にしたことのあるけれども今までは学生からの視点でしか見たことがなかったシラバス。その作成方法や意義を学び、実際に自分でシラバスを作成しました。非専門領域の1年生を対象とした入門科目のシラバスということで、自身の専門領域である「小児看護」を軸に、身近なテーマを絞り出す難しさがありました。学んだ教育技法をどのタイミングで、どのように出すか、評価はどうするか、など個人だけではなく、先生や仲間達から助言をもらいながら進めていくので、安心して作成できましたね。

「大学授業開発論(FFP)Ⅱ」ではどのような学びがありましたか。

春夏学期のFFP Ⅰ 受講終了後、秋学期にFFP Ⅱ を受講したので、学んだことを新しいうちに実践できました。実際に大学で90分の授業実践をおこなう活動が主となるこの科目では、授業枠の確保が必須になってきます。私の場合は、春学期の時点から指導教員に相談していました。FFP Ⅱ では最初に、学習者の理解、記憶、動機づけのメカニズムについて学び、その後に授業計画書を作成していきました。その後、無事に授業枠も確保できましたし、授業実践への準備過程、授業本番、振り返り等を通して、自身の強みや弱みを認識できました。メカニズムの理解だけでなく、多くの人の協力・支えがあってこそ実践できたので、皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

それと、自分以外の授業を見に行く「授業参観/授業観察」では、教員2名、受講生2名以上の授業を観察し分析をおこないました。教員にインタビューをおこなうことで、授業への熱い思いや、学習者を飽きさせないための工夫を知ることができ、新たな発見も得られ、とても勉強になりました。異なる研究科の大学院生の授業参観の際には、学生との距離の掴み方や自己紹介など、FFP Ⅰ で学んだことを実践している仲間の姿がとても輝いて見えました。

「大学授業開発論(FFP)Ⅲ」では、何か学びはありましたか。

もちろん、FFP Ⅲ でも収穫はあります。まず、SoTL(Scholarship of Teaching and Learning)の考え方を学び、実際に作成することで、自身の今後のキャリアの見通しを立てることができました。

また、FFP Ⅲでは「研究の抱負」「社会貢献の哲学」「社会貢献の抱負」「教育の抱負」など、やや抽象度が高い内容を、集中講義の3日間で書き上げなければなりません。これは想像以上に大変でしたが、今後の自分の人生ビジョンを見つめる貴重な時間となりました。

受講後、自分の抱いていた不安に対して、どのような答えや解決策を見つけられましたか。

実際に受講してみると、博士前期課程の学生と博士後期課程の学生は半々ほどで、私以外に博士前期課程1年生は数名いました。ある程度の教育力や研究力を持った上で受講している院生、そうでなく真っ新の状態で受講している院生、色々な方が集まっていました。普段関わる機会が少ない異なる研究科の学生や留学生と、切磋琢磨し、共に成長していけることが、FFPの魅力だと思います。

1年間を通して、教育、研究、社会貢献の意義を根本的から学び、時代に合わせた授業方法を駆使して実践し、他者からのフィードバックを受けて自己の強み・弱みを知り、自身の哲学や夢への抱負を見出すことができました。

副プログラムを受講しようかどうか迷っている人に、何かアドバイスはありますか。

受講しようか悩んでいる方がいましたら、教育学習支援部の先生方に相談してみることをお勧めします。夢を応援してくださる先生方ばかりなので、きっと良いアドバイスをくださいます。私の体験談が1人でも多くの方の参考になれば幸いです。

FFP受講希望のみなさんへ

必修科目「大学授業開発論Ⅰ」を受講したい方は、期日までに、KOANにて①副プログラム「未来の大学教員養成プログラム」の申請②「大学授業開発論Ⅰ」の履修登録をしてください。
授業実施2週間前ごろに、履修登録者に事前課題等のご連絡をします。
*大阪大学の副プログラムに関する説明や申請方法はこちらをご確認ください。
*2022年度からウェブエントリーならびに選考がなくなりました。必ず上記の①②を済ませてください。