大学院等高度副プログラム「未来の大学教員養成プログラム」

Future Faculty Program (FFP)

修了生の声
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修了生の声

※記載している年、所属情報はインタビュー当時のものです。

勉強以外のもっと大事なことを習える

勉強以外のもっと大事なことを習える

2015年 経済学研究科博士後期課程
慎 姫宰さん

主専攻の研究内容について教えてください。

経済学研究科で学部生と院生100人ぐらいを集めて心理実験をおこない、オンライン上での消費者行動を分析して、新しい消費者行動のパターンを見つけるというのが研究内容です。最近は、「ネット口コミ」について論文を書きました。

研究のどういうところが面白いですか。

自分が知りたいことを直接調査や実験をおこなって調べるのが面白いです。

分野としてはマーケティングですよね。マーケティングを専攻しようと思った動機と魅力について教えてください。

学部のときは国際経営専門でしたが、経営を勉強しながら、いろんな分野を勉強してみて、その中でマーケティングが一番面白いと思いました。マーケティングは学問というより社会現象という感じですが、経済学、社会学、文化学、統計学も入っていますので、いろんな分野がミックスされていて、そこが魅力的だと感じています。

今、D1ですが、ドクターを取った後、どんな職業、もしくはどういうキャリアパスを歩もうと思っていますか。

日本の大学の教員になって、経営やマーケティングを教えたいと考えています。

「大阪大学未来の大学教員養成プログラム」を受講された動機を教えてください。

もう日本で7年ぐらい勉強していますが、留学生として、留学生と日本の学生の交流を深める大学教員になりたいと思っています。外国人としての授業方式はわかっているのですが、日本の大学の授業スタイルがあまりわかっていないなと思っていたので、ちょっと挑戦してみようかなと思いました。

実際にプログラムを受けてみた感想をお聞かせください。

大学教員になるために専門科目の知識を修得することに集中していたのですが、大学教員というのは、ただ自分が知識を持っているだけではなくて、それを伝えるスキルがないと、うまくいかないということがわかりました。短期間でスキルが身につくとは言えないのですが、こういう方法があるということがわかったり、自分でちょっと悩むようになったり、どのスタイルが自分に合うかを考えるようになり、とても役立ったと思います。

構成科目が5つありますが、この中で印象的だった授業はありますか。

1番印象的だったのは模擬授業です。異なる専門の学生の授業を聞くことによって、視野が広がりました。模擬授業は10分とちょっと短かったのですが、非常に印象的で、自分の弱点がわかった感じです。

このプログラムを受けている他の学生さんから何か刺激を受けましたか。

刺激というより、専門ごとに違う文化があるということが少し見えてきて、自分の専門によって、性格、話し方、文化など、違うものを持っていた点が面白かったし、同じ専門の人といつも一緒にいると、つい専門用語で話してしまってもレベルを合わせる必要がなかったのですが、模擬授業では、できるだけ優しく話したつもりでも、向こうは難しいと感じたり、逆に向こうの授業を聞いて私も難しいと感じたので、将来、学生と会ったときにはレベルを合わせないといけないということがわかりました。

このプログラムで困ったところや改善してほしいところはありますか。例えば、日本語ではなく英語で授業をおこなってほしいとか。

留学生という個人的な問題ですが、ずっとディスカッションをするので日本語が大変でした。これから日本の大学でも英語の授業が増えるので、英語の授業方法などを教えるといいと思います。

主専攻と両立させるための工夫はされていますか。

いいえ。ドクターは授業が少ないので大丈夫ですが、マスターの学生は授業が多いので、ちょっと大変だと言っていましたね。

両立はそんなに大変じゃないということですか。むしろ、マスターの忙しいときに取るより、ドクターのときに取ったほうがいいという感じですか。

そうですね。大変じゃなかったです。ドクターは終わったらすぐ大学教員になるので、ドクターのときに受けたほうがいいんじゃないかなと思います。

この授業方法や教育方法を学ぶプログラムは、ご自分の研究にとって役立ちましたか。

結局、研究というのは誰かに伝えるもので、伝わらないと論文として意味がありません。そのあたりを自分でしっかり考えるようになりました。学会でも、私の研究を初めて見る人にどうしたらうまく伝えられるのか、論文を書くときも、初めて読んだ人がすぐに理解できるように書こうという思いが自分の中にできましたので、そういう点ではすごく良かったと思います。

将来の自分のキャリアに良い影響はありそうですか。

そうですね。プレゼンテーション能力とコミュニケーションスキルが役立つと思います。例えば、ボイストーンの調節やアイコンタクトの仕方の技術を学ぶので、本当にびっくりしました。もう会社へ入ってもすぐに使えると思います。

このプログラムはどういう人におすすめですか。

知識はたくさんあるのに、それをちゃんと伝えられない人ですかね。例えば、研究はよくできる人なのに発表のときに緊張してしまったり、話しても相手に理解してもらえなかったりする人が受講すると、いろいろな技術や考え方、価値観などが習得できるのでいいかなと思います。

このプログラムを受けようかどうか迷っている人に、何かアドバイスはありますか。

コミュニケーションスキルを上げたい人には、すごく良いと思います。勉強も大事ですが、勉強以外のもっと大事なことも習えるので。大学教員の授業スキルとかではない、他の人の価値観や考え方も毎回勉強になり、良い経験になると思います。

後輩や留学生に何かメッセージはありますか。

阪大には留学生や海外から来ている人が多くいますので、国籍や自分の専門にかかわらず、先入観なしに出会ってみてください。いろいろな人がいるし、いろいろな考え方もあるし、自分の価値観が絶対合っているわけでもないので、この大学という良い環境で、より多くの人に出会って話してみるといいと思います。

ちなみに、このプログラムは授業料を払っていれば、いくつ受講してもタダで受けられますよね。その点についてはどう思いますか。

阪大には留学生や海外から来ている人が多くいますので、国籍や自分の専門にかかわらず、先入観なしに出会ってみてください。いろいろな人がいるし、いろいろな考え方もあるし、自分の価値観が絶対合っているわけでもないので、この大学という良い環境で、より多くの人に出会って話してみるといいと思います。

FFP受講希望のみなさんへ

必修科目「大学授業開発論Ⅰ」を受講したい方は、期日までに、KOANにて①副プログラム「未来の大学教員養成プログラム」の申請②「大学授業開発論Ⅰ」の履修登録をしてください。
授業実施2週間前ごろに、履修登録者に事前課題等のご連絡をします。
*大阪大学の副プログラムに関する説明や申請方法はこちらをご確認ください。
*2022年度からウェブエントリーならびに選考がなくなりました。必ず上記の①②を済ませてください。