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【活動報告】公開セミナー「アクティブラーニング型反転授業を創る!」

日時 2018年09月03日
13時00分 から 15時00分 まで
場所 【豊中】全学教育推進機構 A棟 3階 HALC2
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目的

学生がより深く理解する反転授業のデザインとその効果を,学習理論の観点から理解し,自らの授業にそのエッセンスを取り入れ,実際に改善することを目的とします。

概要

現状を振り返り,その課題を参加者同士で共有した上で,レクチャの内容を参照しながら解決することを目指していきます。具体的なプログラムは以下のとおりです。
1.イントロ
2.自身の授業および人材育成場面での課題は?(Think&Share)
3.アクティブラーニングとは
4.反転授業のデザイン
5.反転授業を創るためのツール
6.ワーク(Share)
7.クロージング

講師

新任教員研修プログラム区分

教育能力開発プログラム

対象

大学教員,大学職員,中・高校教員,企業の方も大歓迎です

定員

30名

アクセス

こちら(PDF)をご覧ください 

申込

終了しました。

ポスター

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活動報告

〔セミナー当日の写真〕


 〔参加者の声〕
◎ 反転授業を行うことで、何ができるかを考えることができた。

◎ 反転授業の効果に関してわかりやすく説明してもらえた。Input(動画有効)とAL型授業の手法についてはそれによらないという言葉は新鮮だった。

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〔森先生からのメッセージ〕

 

まずは全般にご質問ありがとうございます。こういう機会にまたセミナーの内容を批判的に検討いただけることが私にとってもみなさまにとってもよい振り返りの機会になると思います。


◎ 事前学習の動機づけや工夫について

【質問】ありがとうございました。反転授業が増え、事前学習が増えると、学生が疲弊することがあります。大学では、そういったことはないのかもしれませんが、何か実践されている工夫などありましたら、教えていただけると幸いです。

まさに学生の視点でカリキュラムを考えていくことが重要ですよね。ただ今はそれがあまりできていない状況です。関西国際大学の教育福祉学科では,課題を出す時期が重ならないようにコントロールしようとしていた,と聞いています。

 【質問】学生が事前学習に取り組むための動機付けの具体的な方法について教えてください。

これが一番難しいところです。動機づけができたら一人でどこかでも学べますが,でもそうはいかないのが今の大学生の現状です。お答えとしては不十分かもしれませんが,私は他の動機も使いながらまずは学問の入り口に立たせることが重要と考えています。例えば

1.外発的動機。試験をクリアしなければならないとなったときに,セミナーでお話したような学習方法の方が定着がよく,かえって負担が少ない,ということ。

2.達成動機と組み合わせて。●回連続で事前学習した場合には平常点として加味するなど。

などですね。本当は1.のように学生自身が効率の良い学習の方法を理解することが重要だと思っています。

 

◎ 事前学習の動画や内容について

【質問】事前学習で使用するDVDの枚数や時間の長さで適切な条件がこれまでの研究でわかっているデータがありましたら教えてください。

これまでのeラーニング研究においては,1本が短ければ短いほどよい,と言われています。どこで言われてるかなと探しましたがぱっと出てこなくてすいません。>事務局で補足があればお願いします。

私が関わった反転授業の10の授業では,だいたい1本だと15分が最長。それ以上ですと学生の視聴率が落ちました。先生によっては5分のコンテンツを3つアップし,2つまでは視聴必須としている授業もありました。

【教育学習支援部からのコメント】

下記の通り様々な文献で長くても15分以内、短い場合は5〜6分以下におさめるようにしていることが紹介されています。

・サルマン・カーン著(2013)『世界はひとつの教室:「学び✕テクノロジー」が起こすイノベーション』ダイヤモンド社

→オンライン教材を多々配信しているカーンアカデミーでは、動画を10分以内で作成している。これはYouTubeの規定で当初10分以内の制限があったためであったが、結果的に正解だったと述べられている。また以下の研究を紹介し「学生には3〜5分、気持ちを落ち着かせる時間が必要だ。その後、10〜18分は集中力が持続する」こと、また「講義の終盤になると3〜4分しか持たない」ことを引用している。

Middendorf, J., & Kalish, A. (1996, January). The “change-up” in lectures. In The national teaching and learning forum (Vol. 5, No. 2, pp. 1-5). 

・カーマイン・ガロ著(2010)『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』日経BP社

→「10分たつと聴衆が話を聞かなくなる。11分ではなくて必ず10分で」と「10分ルール」が紹介されている。

・ジョナサン・バーグマン、アーロン・サムズ著 (2014)『反転授業 : 基本を宿題で学んでから、授業で応用力を身につける』オデッセイコミュニケーションズ

→「よくある質問」の章で「10分から15分に収まるように意識している。できるなら5分以内にしたいくらいだ」と述べられている。

・佐藤浩章編著(2017)『講義法』玉川大学出版部

→「受動的な授業では学生の多くは5分ほどで集中しなくなる」と下記の文献が引用されている。

Bunce, D. M., Flens, E. A., & Neiles, K. Y. (2010). How long can students pay attention in class? A study of student attention decline using clickers. Journal of Chemical Education87(12), 1438-1443.

・ほかにも下記の記事において動画の長さが紹介されている。

“Longing for Longform: Optimizing For Longer Video”

https://wistia.com/learn/marketing/longing-for-longform

“Why Your Ideal Online Course Video Must Be 6-12 Minutes Long”

https://hubskills.com/online-course-video-to-be-6-12-minutes/

“Video Length”

http://www.journalism.org/2012/07/16/video-length/

“Video Length in Online Courses: What the Research Says”

https://www.qualitymatters.org/qa-resources/resource-center/articles-resources/research-video-length

【質問】90分の講義の事前学習の動画は、何分程度が適切でしょうか。ケース・バイ・ケースだとは思いますが、これまでのご経験から何かお考えがありましたら、お聞かせください。

前のご質問にお答えしたとおりです。視聴は最長で一度に15分。ただその後にノートを作る,簡単なWebテストに答えるなどの活動は含みません。

【質問】スライド41ページの、事前学習の内容は、実際に「3つのタイプの学生」に応じた形で学生にもしめすのでしょうか?どのように学生には示すのか気になりました。

反転授業に限らず,「(具体的な)何を(どう)理解できればこの授業の目標は達成できているのか」を,授業の作り手(教員)と受け手(学生)が共有することが授業デザインとして重要です。そして学生が「自分が出来ているのか,そうでないのか」を判断するためにも,「課題,発問」ベースで授業を進めていくことになるでしょう。スライドで「なぜアクティブラーニングが必要なのか。その理由を4つの観点でそれぞれ200文字程度で述べよ。」とあるのがその「発問」であり,それに答えるために学生はメイン動画を見ます。見ただけでなんとなくできればOK。それでなければ自分で補助リンクを組み合わせるでしょう。

 私は反転授業に限らず,自分が自分の学習をマネジメントする自己調整学習を推進するべきであると考えていることから,学生が自由に選べる(主体性)を基盤として事前学習を作るのがいいかなと思っています。 

 

◎授業中の学習活動について

【質問】授業の中での活動が重要だと思いますが、100人以上の講義科目で、どうファシリテーションできるかが自信がなく、それが反対にふみ切れないネックとなっています。何かアイデアがあればお願いします。(SA・TAが見込めない状況が前提です)

これには本当にご苦労が多いと思います。反転授業は,授業内でアクティブラーニングをするためのもの,と私は位置づけているので,TA等のサポートがない中では厳しいですね。ちなみに100名以上の講義,というからにはその授業は概論的な内容なのではないでしょうか?その裏メニューとして演習はないですか?私の考えでは,反転授業は負荷が多いので,学士課程の基盤となるようなコアな科目に入れていくことを推奨しています。もし概論と演習の組み合わせでできているなら,それは何かしらの工夫が出来そうですね。もし授業単独であり,概論としてさらっと全体が理解することを求めている場合は,反転よりも講義での工夫を行う方がいいかもしれません。最近,友人から教えてもらったこの本,よいみたいです。Harrngton& Bowen著,Dynamic Lecturing。よろしければ参考になさってください!

【質問】グループワークを行う際、「グループでの成果物」みたいなものを作らせなくても、グループワークは盛り上がりますか?

お話したように,習得型ではあまり関係はないように思います。ただ探究型であれば,あってもいいかも,くらいでしょうか。小中高では一緒にものを作る経験はとても重要です。でも大学生という成人に近い場合は,確立された個があった上での協働が重要ですので,学びの形も高度化する必要があるかなと思います。

 

◎内化と外化について

【質問】最後の内化(わかった!)の部分では、具体的に学生にどのようなことをさせるといいでしょうか。 

最後の分かった導くためには,授業の最初に示した発問や類似問題にもう一度取り組むのがいいかなと思います。最初の自分と授業最後の自分の深さを自分自身で意識できるからです。

 

◎反転授業の効果について

【質問】反転授業やアクティブラーニングは見えにくい学力や見えない学力の習得にも効果的だと思います。成績の変化は、見える学力(=測れる学力)への効果を表していると思いますが、見えにくい学力や見えない学力への効果の実証はないのでしょうか?反転授業やALは手間や学生の労力もかかるので、教える側と学ぶ側双方のモチベーションを上げるためにもそういうデータがあればありがたいです。

 私たちの科研の研究では,プレポスト調査で資質・能力の部分も図っています。自著で申し訳ありませんが,こんなの参考にしてみてください。

ナカニシヤ出版 アクティブラーニング型授業としての反転授業 理論編と実践編

 

 ◎その他

【質問】授業全てを反転授業にするのではなく、数回だけまたは1回だけ反転授業にするのは大丈夫なのでしょうか?やはり全体を通して反転にした方がいいですか? 

 コースデザインの中で1回または数回ということももちろん考えられると思います。ただ反転は事前予習型に授業を変えるわけですから,学生にも戸惑いがあるでしょう。できたら数回,まとめて導入されるのがいいと思います。

【質問】数学や物理の予習教材を考える時、「ヨビノリ」が念頭にあり、あの動画より良いコンテンツを作る自信がなくなってしまいます。いっそ、予習用にフル活用してしまおうとも思うのですが、大学の先生(特に公立)が、授業料を受け取っていながら独自でないフリーのものを使って「サボっている」みたいに捉えられないか不安です。近頃はSNSなどインターネット上で好きなことを言われる上、(見なし)公務員への風当たりも強く口うるさい保護者も多い...。フリーのネット教材など、「サボっている」と捉えられかねない授業で、実際どんなトラブルがあるか、どういう風潮か、ご意見を賜りたいと思います。

わかります。私も先日,授業でマンガコミックの話をしたらすぐにSNSに学生が流し,職員さんから冗談まじりでコメントいただきました。(汗っ)でも「ヨビノリ」が最適ならまったく問題ありません。学生にもそれが最適なので,と「ヨビノリ」を使う理由を事前に説明する方がいいですね。ただ!少しでも授業の趣旨や学生の学力にあっていない,ということがあれば,そこはやはり学生にフィットするように努力すべきだとは思います。またお話したように,補足の動画,または高度な内容な動画のバリエーションも揃え,全体をデザインすることは必要です。

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